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店主近影で見る 〜単衣の小物合わせ〜
一昔前までは「単衣は6月と9月」と言われておりましたが、ここ近年は4月でも25度を超え、5月に入れば真夏日となる日も珍しくありません。そうした気候の変動に伴って装いに対する意識の変化が生まれておりますが、皆様はどの様に単衣の季節のコーディネートを楽しんでいらっしゃいますか?
今回の特集では、当店のインスタグラムでも度々ポストしております店主の着姿 - 店主近影と共に、<和小物さくら>の単衣・盛夏向けの小物で彩る帯周りのコーディネートをご紹介します。
着物と帯。一つの組み合わせに幾通りかの小物を合わせた着回しならぬ付け回し。
色柄はもちろん『質感が大切』な単衣・盛夏のコーディネートをどうぞご覧ください。
沖縄にそのルーツを持つ九州宮崎「綾の手紬染織工房」を主宰する"秋山眞和さん"の単衣に染織作家"松尾鏡子"さんの紬織名古屋帯をコーディネート。爽やかな色彩とサラリとした質感が見て取れる手織りの涼感を重ねました。端にレース糸を組み込んだ帯締めに、帯揚げは極薄縮緬を臈纈染で仕上げたものを合わせて更なる涼感を意識しました。
板締め絞りの染模様がコーディネートにアクセントを加えてくれる帯揚げの素材は絹絽縮緬。色彩豊かなレースの帯締めで涼感が増します。
生地の上で他の色と混じり合わない特殊な染料を用い、まるで絣の様な染め模様に仕上げた帯揚げ。帯締めは帯揚げの色彩に寄せてコーディネートの調和をはかりました。
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さわやか縮緬の小紋に染織作家”池田リサ”さんの経絣名古屋帯をコーディネート。小紋に対して濃淡を強調した帯合わせ。色数を抑えるとスッキリ見えたりするもので、今回はその効果を狙って帯揚げは墨黒の麻絽。帯締めにはレースの組模様が涼しげなものをチョイス。濃色で締めて一層スッキリとした印象を意識しました。
帯の色を拾って選んだ帯締め。そして帯締めの色に寄せた帯揚げ。同系色を重ねるのは鉄板のコーディネートと言えますが、帯から帯締め、そして帯揚げ、と追いかけるように色を選ぶという自分なりのストーリーも楽しんでいます。
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「結城縮」はその軽い着心地としなやかでさらりとした質感が堪らない織物。今、結城縮との取り合せとして気に入っているのがこの越後上布。ざらりとした表情が涼しげで網代の織り模様と色彩も趣があります。生成り緑と薄茶。帯締めと帯揚げの存在を目立たせつつ、しっかりと色を合わせてコーディネートの調和をはかり、お気に入り着物と帯を引き立てる事を意識しました。
帯締めを三分紐に変えてガラスの帯留で涼しげに。ガラスの質感がコーディネートのアクセント。
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宮古上布に八重山上布の帯を合わせて。色合いはもちろん、布地質感から南の風を感じる大好きなコーディネート。生成の帯締めはレースの平唐組。帯揚げは極薄縮緬を臈纈染で仕上げたもの。帯の色彩がとても気に入っているので、そこを活かすべく小物は淡色とモノトーンでまとめましたがレースの帯締めは質感をポイントとしました。
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やはり質感がものを言う単衣・盛夏のコーディネート。
これまでは「盛夏向け」として捉えることが多かったレース糸の帯締めも単衣のコーディネートに組み込まれる事が多くなり、極薄縮緬や変わり紋織の帯揚げもそれと同様に合わせる時期が広がっております。小物合わせ次第で大きく印象が変わるのが和装の楽しみ。皆様それぞれ思い思いの「涼感」をコーディネートに取り入れるべく、様々なチョイスをお楽しみ下さい。
「店主近影」のコーディネートに加えて、当店が提案する単衣・盛夏の帯周りコーディネートもご紹介します。
店主近影で見る 〜単衣の小物合わせ〜
和小物さくら × 荒井呉服店
<催しのご案内>
京都<和小物さくら>の単衣・盛夏向けのアイテムを中心に取り揃えご紹介する『和小物さくら展』を開催致します。
今回ご覧頂いた店主近影でコーディネートしているアイテムはもちろん、草履やバッグに至るまで、<和小物さくら>の新作小物をフルラインアップでご覧頂けます。
是非、お越し下さい。
【催し詳細】
和小物さくら展 - 催し詳細リンク
日程:6月6日(金)〜9日(月) 10:00〜18:00 *最終日は17:00まで
場所:荒井呉服店 - 東京都八王子市八日町9-8
Styling - Kanako Arai
Photo & Text - Ryusuke Ishige
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