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夏のしるし 〜ゆかたと沖縄の織物〜

ゆかたと沖縄の織物top 2

「浴衣 - ゆかた」の起源は平安時代に貴族が入浴の際 (当時の風呂は蒸し風呂が主流) に着た「湯帷子 - ゆかたびら」とされており、江戸時代には湯上りのくつろぎ着として庶民に広がりました。さらに時を経て、現代では花火大会や夏祭り、夕涼みに出掛ける時、着る人はもちろん見る人にも「涼」を感じさせてくれる夏の和装の定番となっています。

そんなゆかたも、昨今は様々なトレンドが生まれ、色柄はもちろんコーディネートに至るまで年々多様化しています。

私ども荒井呉服店では伝統染織技法で制作されるゆかたにこだわった品揃えをしていますが、数年前からゆかたにコーディネートする帯として工芸民藝の宝庫と言われる”沖縄の織物”をご提案しています。


南国の風土を感じる美しい色彩。

織り模様に込められた想い。


沖縄の織物は唯一無二の魅了に包まれています。


というわけで、今回の特集は、<夏のしるし 〜ゆかたと沖縄の織物〜>と題しまして、ゆかたにコーディネートする「帯」を染織品の一大産地「沖縄」の織物に限定してご紹介します。南国の風を感じる沖縄の織物と、注染や絞染といった伝統染色技法で染め上げたゆかたで楽しむ「夏のおしゃれ」全11コーディネート。

どうぞご覧ください。



薄いグレーと貝殻模様の組み合わせが洒落た印象の本作は京都「紫織庵」のゆかた。ゆかたらしさ」や「夏らしさ」は意識せず、色合わせと雰囲気から醸し出される「涼感」を重視して辿り着いた帯の組み合わせが竹富ミンサーでした。草木染めならではの優しく趣のある色調によってコーディネートに上品さが加えられたかと思います。


紫織庵 - 型友禅:38,500円(税込)

竹富ミンサー - 四寸帯:52,800円(税込)


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金沢・坂口染工房が手掛ける「加賀染」は”二枚白”と言われる型紙を2枚用いる染色技法で制作されています。型染め、特にゆかたの場合は地色に単色のものがほとんどですが、”二枚白”は地色を含めて3色の仕上がり。こうした色彩によって柄に立体感が現れます。首里道屯織の四寸は目の覚めるような黄色がポイント。「団扇」という古典的な柄に対して南国の海を連想させる鮮やかなブルー。二枚白のゆかたに挿された黄色を拾う事でコーディネートに調和が生まれます。


坂口染工房 - 加賀染:52,800円(税込)

首里道屯織 - 四寸帯:44,000円(税込)


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絞染で名を馳せる「藤娘きぬたや」が制作したポルカドットのゆかた。伝統染色技法で表現するモダンな模様というコントラストが楽しい一品。紺白という潔い色調を活かすべく、帯の色味もあっさりとしたものをチョイス。絞染のドットと道屯織のライン。異なる印象の柄を重ねる事でシンプルかつメリハリのあるコーディネートに。


藤娘きぬたや - 絞り染:138,000円(税込)

首里道屯織 - 四寸帯:35,200円(税込)


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日本橋「竺仙」の定番素材と言える綿絽に注染で団扇柄を染め付けたゆかた。綿絽の透け感に加え、更なる涼感を意識して青と緑の配色を当店が指定をした別注品です。注染で表現されるグラデーションが瑞々しく、そこに南国の海を見立てて帯もゆかたの色彩に続くようなものをコーディネートしました。自分の中で作ったイメージやストーリーをコーディネートに反映させるのは楽しいですね。


竺仙 - 注染:44,000円(税込)

やしらみ花織 - 四寸帯:41,800円(税込)


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どこか懐かしさを感じさせる柄が目を惹く京都「紫織庵」のゆかた。大正〜昭和初期に流行した絵図案を復刻しゆかたにしているという背景を伺うと懐かしさを感じる事もなるほどとなりますが、彩色は現代の感性で。柄の主体となる蕗の色に合わせて、深い緑の首里道屯織をコーディネート。亜熱帯の気候が育む森の深い緑が帯の色から連想されます。


紫織庵 - 型友禅:38,500円(税込)

首里道屯織 - 四寸帯:37,400円(税込)


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金沢・坂口染工房が手掛ける「加賀染」のゆかたは、元々着物や名古屋帯を染める型紙を用いている為、ゆかたらしくない意匠が魅力。煌めく光を独自の感覚で意匠化した本作には、香酸柑橘類を彷彿とさせる色味の首里花織をコーディネート。金沢特有の色彩感覚と南国の爽やかな色彩感覚のコントラストがポイントです。


坂口染工房 - 加賀染:52,800円(税込)

首里花織 - 四寸帯:39,600円(税込)


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現代では日本を代表する色「JAPAN BLUE」として世界に認知されている「藍染」。今も昔も人を魅了する「藍染」は古くから我々日本人の生活に溶け込んでいる存在ですが、夏になると纏いたくなる色でもある気が致します。

江戸時代から続く伝統染色技法「長板中形」で染め付けた花唐草はとても古典的な印象の仕上がり。藍と白のコントラストも相まって粋で渋めな雰囲気を醸し出していますが、カラフルな帯をコーディネートする事で女性らしい可憐さをプラス。沖縄織物でしか表現されないであろう、ありそうでない独特の色彩が映える組み合わせです。


初山寛 - 長板中形正藍染:91,300円(税込)

竹富ミンサー - 四寸帯:52,800円(税込)


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美しい花の色。棘があるがそれも魅力に感じてしまうのが不思議な「アザミ」を染め描いたゆかた。深い紫の地色が「紫織庵」らしい本作ですが、そんな地色を活かすべく、同系色の花織をコーディネート。帯の色味は着姿に鮮やかな調和をもたらし、上品な色気を漂わせます。


紫織庵 - 型友禅:33,000円(税込)

やしらみ花織 - 四寸帯:39,600円(税込)


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昔ながらの紺白ゆかたも生地を綿絽にする事で洗練された印象が漂う仕上がりに。生地感とメリハリのある色味に日本橋「竺仙」らしさが際立つ本作には、対照的な印象の竹富ミンサーをコーディネート。草木染めの優しい色調と手織ならではの趣のある質感。色柄だけではなく、印象のコントラストの楽しさを意識しました。


竺仙 - 注染:33,000円(税込)

竹富ミンサー - 四寸帯:52,800円(税込)


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職人の減少に比例して生産数も減少している純国産の絞染ゆかた。現代は括りを海外で行なっているものがほとんどでそのクオリティーは非常に高いものとなっていますが、やはり国産でしか表現出来ない柄意匠がございます。本品は絞り(括り)染色共に伝統工芸士が手掛けた純国産品で「亀甲」と「もみじ」を表した伝統美という表現が相応しい作品です。そんな絞り染めにコーディネートしたのは紫と黄の組み合わせが瑞々しい首里道屯織。絞り染との鉄板の組み合わせとしては紗の博多織が脳裏に浮かびますが、こうした沖縄の織物との相性もとても良いのです。


藤娘きぬたや - 有松絞り:188,000円(税込)

首里道屯織 - 四寸帯:50,600円(税込)


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見るからに涼しげな質感のしじら織に注染で瓢箪を染め付けた本作は日本橋人形町「三勝」謹製。何処となくユーモアを感じる瓢箪の描写には同時に江戸の粋も表現されている気が致します。そんなゆかたにコーディネートするのは草木染めの八重山ミンサー。深い青と夕暮れの水平線を思わせる薄ピンクのコントラストがとても綺麗。白地が際立つゆかたの着姿を引き締めるべく帯を選びました。


三勝 - 注染:55,000円(税込)

八重山ミンサー - 四寸帯:52,800円(税込)


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夏のしるし 〜ゆかたと沖縄の織物〜


Styling & Photo & Text - Ryusuke Ishige





今回ご紹介させて頂きました商品は荒井呉服店オンラインストアでもご覧頂けます。


荒井呉服店オンラインストア

<ゆかた・麻きもの>

<半巾・四寸帯>





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